2006年05月18日

ダ・ヴィンチ・コード

というわけで、kino君が貸してくれた文庫版(上中下)読了。基本的に評価は原文を読むまで保留したいところだが、日本語翻訳版を読んだ限りでは・・・えーと、困ったな(笑

暗号について、美術や宗教、いろいろな噂話や伝承、歴史までよく調べて書いていると思う。が、肝心のお話がお粗末に過ぎる。翻訳が下手なのか、それともダン・ブラウンがヘタなのか、多分後者なのだろう。

物語の所々で登場するクリプテックスだが、これが一番困った。予期しない場面で登場するというのはよくあることだが、辻褄が合わない登場や、それに備えられたriddleが不自然過ぎる。ファーシュの行動も辻褄が合わないし・・・・・。編集担当が作中に登場するが、正直なところこの作品の編集担当はマジメに仕事してたのかな? とも思う。おいお前、ダン・ブラウンに皮肉られてるんだよ、わかってる? ってね。
正直、これが全世界で発行5,000万部というというのはわかる。娯楽作品としては非常に目を引くものだし、テーマも非常にわかりやすい。ただ、読み終えた感想はあまりいいものが出てこないんじゃないだろうかと思う。最近の娯楽作品に慣れている人は多分満足感が得られるんだろうけど、古典や古い作品で育った人は多分不満が残るんじゃないだろうかと思う。

日本語版に限って言えば、翻訳と編集は最悪。売り方も不満。というか、まず一番困ったのが馬鹿でかい文字だ。早川などの文字サイズになれている人間は、描写の薄い場面ではあまりにも頻繁にページを捲らざるを得ず、非常にイライラさせられる。3冊構成にして儲けようとしてるのではないかと勘繰ってしまう。謎解きに関する翻訳にもかなり不満が残るが、基本的に日本人はキリスト教やそれにまつわる歴史・伝承など、あまりにも知識が少ないため描写がすごく大雑把だからだ。ある程度知識のある人には、謎解きの一角をすっ飛ばしていきなり結論に達するこの描写は馬鹿にされているように感じる。

あ、面白かったかそうでないかと訊かれれば、面白かったと答えるよ。kino君ありがとう。読む機会があれば読んでみてもいいんじゃないかな。ただし、ハードカバーで買うほどとは思えないけど。

で、読み終えた後にめちゃめちゃ酷評されている映画版のサイトを覗いてみたら、かなり頭が痛くなった。ロン・ハワード監督で、ラングドン役はトム・ハンクス、ソフィー役はオドレイ・トトゥ、ファーシュ役にはジャン・レノという最悪の組み合わせ。俺の頭の中ではラングドンがバル・キルマー、ソフィーがシャーリーズ・セロン、ファーシュがマイケル・ダグラスという感じで読み進めていたので(これもどうかと思うが、文章から受けた感じではそうだった)、ロン・ハワードもそろそろトシなのかな〜と。それとも、映画屋がこのキャストで作れば必ず売れると踏んだのかな?
というわけで、めでたく映画公開前に読了することもできたし、映画は見に行かない。
posted by JUD at 01:07| Comment(0) | TrackBack(2) | 日記
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