今まで予約扱いか数週間先の発送というので遠慮していたが、Amazon通販でも「在庫あり」が常態化したので、Amazon Kindle Paperwhite を購入。WiFiモデルなので7,980円。
通り一遍のスペックや画像は そこらに限りなく転がってるので、ここには貼らないw
----
使ってみた感想としては、お値段分くらいは働いてくれそうだな、というところか。
以下 各論。
----
外装。
液晶面を直接打撃に晒すのはあまり気分のいいものではないので 袋型のハードケースが欲しかったのだけど、見つからない。どうせ安いのだし、毎日持ち歩くわけではないし、使い捨てる気持ちでケースなどは買わないこととした。
下手なブックシェルフ型ケースをつけると 余計重くなるし、持ちづらい。物によっては 表示面に固定用スパンデックスが圧し掛かったりするなど噴飯モノの商品まである。現物を持ってあわせてみてから選んだほうがいい。
----
見た目。
画像を読んだ感じでは、単ページ表示だとA5コミックスくらいまでなら だいたい許容範囲だろう。それでも攻殻機動隊(オリジナル)とかサイレントメビウスの欄外文字レベルになるときつい。見開きになると、ドラゴンボール後期とか漫☆画太郎などの 文字の少ないアクション物なら困らないかもしれないが、複雑な漢字の固有名詞が増えてくるとストレスが出る。おとなしく単ページ表示で読もう。
テキストでは縦書きならそこそこ使える感じがする。横書きだと途端に操作に難が出るが、ここら辺はやはりページ送りに起因するのだろう、縦書きだとコミックスと同じ右綴じだから、進行方向の左端をタップするだけでページ送りができるという点で共通している。見た目の点では、日本語はすべて等幅フォントで統一されているため、縦書きでは気にならない(元から縦書きでは等幅というか等高で慣らされている)が、横書きだと途端に情報密度が落ちるということも使いづらさに影響している。
液晶はモノトーンだが、リフレッシュの明滅が気にならなければ普通の液晶と変わらないのではないか。残像が大きいが、スムーススクロール機能がないので気にするところではないと思う。画像も、まあ解像度を考えればモノトーンに最適化されていることもあり悪くない。PaperWhite液晶は電池の持ちにも影響しているが、同じ価格で買えるタブレットで読むのと大して変わらないので、それを考えれば納得できるレベルではある。
字はあまり綺麗ではないし、読みやすくもない。これは日本語フォントが問題だと思う。それなりに高解像度ではあるのだが、やはりこの程度(212PPI)の解像度で明朝は汚い、何でもかんでもヒゲあり明朝というのは個人的にはおかしいと思う。もっとも、スマートフォンの小さな画面では明朝体を使うこと自体無理があるので、これも一つの進歩といっていい。
もうひとつの不満点としては、字間も行間も目一杯詰める設定でも安っぽい新書並までしか詰まらない。文庫や古い刊行物に慣れている人には物足りなすぎる。ページ捲りの操作に難があって さらにリフレッシュ明滅まであるのだから、1ページにもっと文字を詰め込める設定があってもいいじゃないか、と。
----
操作。
ページ送りする際のタップ位置が、縦書き横書き(各々 下方向と左方向)で別々に設定されているのは、非常に困る。横書きでは右側が送りで左側が戻し、縦書きでは左側が送りで右側が戻し という設定。これでは左手で持ち横書き文書を表示したとき、スワイプでしかページを送れない。
タップ位置の左右逆転機能が付けば何の文句もないのだが。
また、上下左右の余白を個別に設定することができない。
前述の通り持ち方によりスワイプを強制されるし、タップの場合のみでも影響することに変わりはないが『自分の指で表示部位を隠してしまう』問題を全く解決していない。電子書籍なのだから、テキストならもっとフレキシブルにページ送りが出来るはずなのに ページ送りは常に1ページである。
ページ送り量の問題はともかく、余白設定やタップ位置調整など、根本的な操作に関わる設定がまったくできないのは、使い勝手に致命的な欠陥であるともいえる。一般的なテキストビュアーと比べると、ハードはマシなのにソフト面で最悪である。
----
書籍管理と Kindleストア。
フォルダとかカテゴリタグなど 蔵書管理におおよそ必要と思われる機能は一切ない。
悪夢としか言いようがない。
Kindle自体の容量も大きくはないので、購入直後のケースを除いて アカウントの履歴からダウンロード指示して端末に転送して読むという行為を伴うわけだ。大量に転送しておくには端末側の文書管理システムはお粗末過ぎるし、アカウントをPCから操作するにしても曖昧な文字列連想検索しか提供されておらず はっきり言って蔵書の管理など不可能だ。
おそらく10冊を越えたあたりから まともに管理しようとは思えなくなるだろう。
ストアカテゴリも大雑把過ぎるし、検索結果の表示も綺麗に並ばない。1ページに20アイテムしか表示されず、次のページの表示についても 控えめに言っても遅いというレベル。検索も曖昧な文字列連想検索だし、検索結果 Kindleストア内に該当の書籍がない場合に通常の印刷本を薦めてくるが、それでいいのか?
シリーズの まとめ買い機能もない。まあ その機能があっても、1巻だけ買ってみて続きを…と思ったときに1巻を含めたセットでしか買えないなら意味はないので、既に購買済みのアイテムを除いて清算する機能がないと意味ないのだけどね…。そして、そのような買い物をしても 蔵書管理が前述の通りまったく役に立たないので さらなる重荷を背負うことに…。
自主規制ラインや法規制ラインの扱いについてもワールドワイド展開としてお粗末で、続き物の途中だけKindle未発売ということもザラ(たとえば おかだまつおか「Hな四重奏」2巻など)。
もはや紙の本では手に入りづらい ペリー・ローダン シリーズ日本語訳を電子書籍で復活! …というのは着目として悪くないのだが、日本では現在440巻まで出ておりさらに1巻をKindleでは2分冊として発売している。このストア状況と蔵書管理で、1,000冊もの管理をするのは無理だ。あの蔵書管理機能で1,000冊をしっかり把握できる能力の持ち主なら、きっと読むそばから丸暗記してしまい 読み返す必要などないだろうwww
----
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html/?nodeId=201017480
Kindleパーソナル・ドキュメントサービス。
テキストは基本的に横書きになるので、読みづらい。テキストならiPhoneアプリやAndroidアプリでもっとマシなものは掃いて捨てるほどあるので、テキストでこの機能を使うのはやめておいたほうがいい。
画像中心の右綴じならいいかもしれないが。
----
Androidアプリ。
はっきり言ってクソである。インストールするだけ無駄。
あの機能と完成度なら、ないほうがいい。
----
総じて、ハードには満足だがソフトがアホ過ぎる。
ベゾフCEOはこのガジェットを本当に使ったことがあるのか。多分ないだろう。
絶版漫画を中心に、Kindleストアでしか手に入らないものを読むのには使うだろう。
2013年02月04日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/62000881
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/62000881
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック